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寝ているときにイビキをかいていることを家族や友人に指摘されたものの、誰かに迷惑をかけているわけではないからといって、治療や対策をしていない人がいます。でも、イビキはうるさいだけでなく、睡眠の質が低下しているサインでもあり、人によっては早急に対応が必要になります。
しかし、イビキの治療方法にはさまざまな種類があり、どの方法を選べばいいのかわからないという人もいるかと思います。そこでここでは、質の高い睡眠を取り戻すために、イビキ治療方法の種類について、わかりやすく解説していきます。
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イビキの治療方法の種類
まずは病院でのイビキ治療方法についてご紹介します。イビキの治療方法は次の4種類に分類できます。
- 耳鼻科による鼻疾患の治療
- CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)
- マウスピース
- 手術
これらの治療方法を原因や症状の重さなどによって、お医者さんが使い分けるのですが、それぞれの治療方法について詳しく見ていきましょう。
耳鼻科による鼻疾患の治療
病院でイビキについて相談をすると、まず鼻づまりの有無を確認し、鼻づまりがある場合には、耳鼻科で鼻疾患の治療を行います。鼻づまりの原因としてはアレルギー性鼻炎や鼻中隔湾曲症などが考えられ、それぞれの原因に合った治療方法で治していきます。
たとえばアレルギーが原因だと考えられる場合は、内服薬によって炎症をやわらげて鼻づまりを抑えます。他にも点鼻薬や吸引などといった方法で治療を行い、それでも解消しない場合には手術をすることもあります。
CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)
CPAP療法はイビキの原因が喉にあり、睡眠時無呼吸症候群を起こしているときの一般的な治療方法です。睡眠中にマスクを使って一定の圧力の空気を気道に送り込み、気道を広げてイビキや呼吸の停止を防ぎます。
マスクの調整のために入院することもあり、さらにマスクを着用して寝るということに慣れる必要がありますが、適切にフィッテングされたマスクを使うことで睡眠の質が改善され、しっかりと眠れるようになります。
マウスピース
マウスピースは軽度の睡眠時無呼吸症候群を治療する方法で、睡眠時に着用することで舌が喉の奥に落ちにくくします。これにより気道がしっかり確保されるので、手軽にイビキの発生や無呼吸になることを防げます。
ただし、マウスピースを用いた治療はイビキの症状のみでは健康保険の対象外となり、睡眠時無呼吸症候群であると診断された場合のみ健康保険が適用されます。また、重度の睡眠時無呼吸症候群では効果があまりないなどのデメリットもあります。
手術
適切な治療を行っても、イビキや睡眠時無呼吸症候群の症状に改善が見られない場合には、手術によって治療します。鼻に問題がある場合には、鼻中隔矯正術や粘膜下下鼻甲介骨切除術などを行い、口内に問題がある場合には口蓋垂軟口蓋形成術などを行うのが一般的です。
以前はメスを使って切開手術を行っていたため、1週間程度の入院が必要でした。ところが最近は患者の負担が小さくなるレーザーを使用しての手術が主流となりつつあり、日帰りでの手術も可能となっています。
自分でできるイビキ対策の種類
イビキにはCPAP療法や手術が有効ではありますが、たとえば肥満の場合には、それらの治療方法で一時的に症状が改善されるだけで、根本的な治療にはならないこともあります。このため、イビキは医師による治療だけでなく、自分でもイビキ対策に取り組む必要があります。
イビキ対策にはいくつもの種類がありますので、どのようなものがあるのか詳しく見ていきましょう。
ダイエット
肥満になると首周りにもしっかりと脂肪がつき、その脂肪が気道を圧迫します。さらに舌も脂肪により大きくなるため、睡眠中に気道が閉塞しやすくなるなど、肥満はイビキの原因になるだけでなく、睡眠時無呼吸症候群(OSA)のリスクも高めます。
したがって、肥満の人がダイエットで脂肪を落とせば、イビキを減らすことができ、さらには睡眠の質を改善できます。
ダイエット方法はいくつもありますが、おすすめなのは運動と食事制限の組み合わせです。摂取カロリーが消費カロリーを上回らないように調整し、リバウンドを避けるためにコツコツと時間をかけて体重を落としていきましょう。
禁煙
喫煙とイビキは関係なさそうに思えますが、喫煙は気道の炎症を引き起こし、気道を狭くしてイビキの原因になることがわかっています。このため、喫煙者は非喫煙者と比べてイビキをかきやすく、睡眠時無呼吸症候群(OSA)のリスクも高くなるといわれています。
このため喫煙者が禁煙することにより、気道の炎症が解消され、イビキで悩まされることもなくなります。なお、本人が喫煙しなくても、受動喫煙でイビキが発生することがあります。このため、イビキ対策としては自分だけでなく、家族全員で取り組む必要があります。
就寝前の飲酒をやめる
多くの方が経験していると思いますが、イビキと飲酒は密接な関係にあります。飲酒するとイビキをかきやすくなる理由は2つあります。
- アルコールが筋肉を緩める
- アルコールが鼻詰まりを引き起こす
アルコールは筋肉を緩める効果があるため、喉の筋肉も緩んでしまい、通常よりも舌が喉を塞ぎやすくなります。さらにアルコールは鼻詰まりを引き起こすため、気道が狭くなってしまうため、イビキをかいてしまうわけです。
このため毎日のように寝酒をするという人は、イビキを抑制するために就寝前の飲酒をやめる必要があります。
睡眠環境の見直し
睡眠環境もいびきの発生に影響を与えます。たとえば横向きで寝たり、枕の高さを調整したりして、気道を確保しやすくすることでイビキの発生を抑えることができます。また適切な湿度環境で眠ることで鼻づまりを防ぎやすくなり、イビキをかきにくくできます。
軽度のイビキであれば、睡眠環境の見直しでイビキが改善される可能性もありますので、横向きでの眠りをしやすくするために抱き枕を導入したり、呼吸しやすいオーダーメイド枕を作ったりしてみましょう。
イビキ対策グッズ4選
イビキの治療方法としてマウスピースをご紹介しましたが、もっと手軽に入手できるイビキ対策グッズがあります。どのようなグッズがあるのか見ていきましょう。
鼻腔拡張テープ
鼻に張ることで鼻づまりを解消しやすくなるテープです。テープにはプラスチック製の板が貼り付けてあり、そのテープを鼻に貼ることで、板が元の形状に戻ろうとする力を使って鼻腔を広げて、鼻呼吸を促してくれます。
口閉じテープ
口閉じテープはその名前のとおり、口に貼り付けて睡眠中に口が開かないようにするためのアイテムです。口が開かないので口腔内の乾燥を防ぐことができ、さらには鼻呼吸をするしかなくなるため、睡眠時無呼吸症候群(OSA)のリスクを下げることができます。
鼻呼吸マスク
鼻呼吸マスクは口腔内の乾燥を防ぎながら、鼻呼吸を促すためのアイテムです。口閉じテープだと寝ている間にテープを自分で外してしまうという人でも、マスクがしっかり口を閉じてくれるので、高い効果が期待できます。
顎サポーター
顎サポーターは口の開きを抑えて、鼻呼吸を促すアイテムです。イビキの原因が喉にある場合に有効なアイテムで、自然に鼻呼吸できるようなっているため、イビキをかくことなく快適な朝を迎えられます。
イビキを放置すると危険な理由
家族や友人にイビキを指摘されたものの、わざわざ病院に行って治療するほど困っていないと思って放置してしまう人もいるようですが、慢性的なイビキをそのままにしておくのはNG。放置しておくと下記のようなトラブルにつながる可能性があります。
- 睡眠時無呼吸症候群(OSA)がさまざまなリスクを高める
- 生活習慣病にかかりやすくなる
- 睡眠の質が低下して日常生活でのパフォーマンスが下がる
これだけでは、どれくらい危険なのかわからないかと思いますので、それぞれのトラブルごとに放置をしてはいけない理由を詳しく解説していきます。
睡眠時無呼吸症候群(OSA)がさまざまなリスクを高める
イビキは鼻や喉のどこかで、気道が狭くなっていることで起きる現象です。狭くなっているだけなら大きな問題にはなりませんが、閉塞してしまうと睡眠時無呼吸症候群(OSA)、すなわち無呼吸の状態になってしまいます。
睡眠時無呼吸症候群をそのままにしておくと、細胞に十分な量の酸素を送り込むことができなくなり、細胞が老化しやすく、心筋梗塞や脳卒中などの発症リスクが高まります。重度の睡眠時無呼吸症候群は死亡率を上げることもわかっており、イビキを放置した結果、寿命が縮んでしまうこともあります。
生活習慣病にかかりやすくなる
イビキをかく人の多くが肥満体型にあるため、イビキは肥満に対する危険信号とも受け取れます。その危険信号を無視すると、下記のような肥満による生活習慣病を引き起こす可能性が高まります。
- 糖尿病
- 高血圧
- 脂質異常症
- 心血管疾患
イビキそのものがこれらの生活習慣病の原因になるわけではありませんが、イビキ対策としてダイエットをするなどして肥満を解消すれば、イビキも生活習慣病のリスクも下がります。反対に放置し続けるとこれらの生活習慣病のリスクが高まり、健康的な生活を送れなくなってしまいます。
睡眠の質が低下して日常生活でのパフォーマンスが下がる
イビキをかいているときには、十分な酸素を体内に取り込めていない状態にあり、睡眠の質が低下してしまいます。このため、しっかりと睡眠時間を確保していても、寝覚めが悪くなったり、日中に眠くなったりしてしまいます。
仕事をしているときの集中力も低下するため、小さなミスを繰り返し、周りの人たちに迷惑をかけてしまうこともあります。寝ているはずなのに疲れが取れない。日常生活でのパフォーマンスが下がっている。そのような問題は、イビキを治療することで改善できる可能性があります。
まとめ:自分に適したイビキ治療方法を選ぼう
疲れているときにイビキをかいてしまうというのは、誰にでも起きることです。ただ毎日のようにイビキをかいてしまう場合には、そのまま放置しておくと睡眠時無呼吸症候群(OSA)を引き起こし、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高くなります。
その他にも仕事に集中できなくなり、職場での信頼を失ってしまうなど、さまざまなデメリットにつながる可能性があります。このため慢性的なイビキを指摘された場合には、できるだけすみやかにお医者さんに相談する必要があります。
いびきの治療方法にはいくつもの種類がありますが、大事なのは自分の症状に合わせて治療方法を選ぶことです。そして、病院での治療だけでなく生活習慣の見直しや、ダイエットなど自分でできるイビキ対策も行って、イビキをかくことのない快適な睡眠を取り戻しましょう。
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