【2024年保存版】いびきレーザー治療のデメリットまとめ!医師が詳しく解説

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いびき改善のための治療方法として注目されているレーザー治療ですが、メリットを説明するサイトが多く、デメリットについてはあまり記載されていません。その結果、レーザー治療をしてみたところ、想定外のトラブルが起きて後悔するというケースも珍しくありません。

ここではレーザー治療で後悔しないために、治療前に把握しておくべきレーザー治療のデメリットについて詳しく解説していきます。レーザー治療を検討している人は、納得できる治療を受けるためにも、最後までしっかりと読んでおいてください。

知っておくべきレーザー治療の種類

レーザー治療のデメリットについて説明する前に、まずはレーザー治療の種類について解説していきます。レーザー治療には下記のような2種類の治療方法があり、それぞれレーザーを使うという点では共通していますが、いびきに対するアプローチの仕方が異なります。

レーザー治療
  • 口蓋垂(こうがいすい)と軟口蓋(なんこうがい)の粘膜を切除する
  • 喉の軟部組織を引き締める

それぞれのレーザー治療について、その特徴を詳しく解説していきます。

口蓋垂(こうがいすい)と軟口蓋(なんこうがい)の粘膜を切除するレーザー治療

肥満などで肥大化した口蓋垂と軟口蓋の粘膜を、CO2レーザーで切除することで気道を確保するレーザー治療法です。レーザー口蓋垂(こうがいすい)と軟口蓋(なんこうがい)形成術やLAUPと呼ばれており、従来の外科手術よりも出血や痛みを抑えられます。

喉の軟部組織を引き締めるレーザー治療

口蓋垂やその周囲の粘膜に対してYAGレーザーを照射して、軟部組織を引き締めることにより気道を確保する治療方法です。ほとんど痛みを感じることもなく、さらに外科手術やLAUPのように術後の回復時間がほとんど必要ありません。

ナイトレーズと呼ばれる治療方法が一般的ですが、最近はさらに効率的に治療できる「引き締めるレーザー治療」を実施するクリニックも増えています。

切除するレーザー治療のデメリット

まずは2種類のレーザー治療方法のうち、LAUPと呼ばれる口蓋垂(こうがいすい)と軟口蓋(なんこうがい)の粘膜を切除するレーザー治療のデメリットを見ていきましょう。

  • 睡眠時無呼吸症候群の改善が見られないケースが多い
  • 手術後2週間くらい痛みや違和感が続く
  • 瘢痕収縮(はんこんしゅうしゅく)によりいびきが悪化することもある

それぞれのデメリットについて、詳しく解説していきます。

睡眠時無呼吸症候群の改善が見られないケースが多い

口蓋垂と軟口蓋の粘膜を切除するレーザー治療であるLAUPは、いびきに対しては高い効果(約90%が効果を実感)がありますが、睡眠時無呼吸症候群にはそれほど効果がない治療方法であることがわかっています。

このため、睡眠時無呼吸症候群をともなわないいびき、すなわちそれほど大きな問題ではないいびきを解決するために、痛みなどのリスクのある手術を受けるということになります。

手術後2週間くらい痛みや違和感が続く

メスを使った外科手術よりも出血が少ないとはいえ、切除するわけですから痛みや違和感が1〜2週間程度続きます。人によっては喉が腫れてしまい、腫れが引くまで流動食に切り替える必要があるなど、食事制限が発生することもあります。

大きなデメリットではありませんが、喉の構造が変わってしまうため、声質も永続的に変化してしまうケースもあり、声を使った仕事をしている人は注意が必要です。

瘢痕収縮によりいびきが悪化することもある

それほど多いケースではありませんが、レーザー治療によって口蓋垂と軟口蓋の粘膜を切除した場合、瘢痕収縮が起きることで気道が術前よりも狭くなることもあります。この場合にはいびきも睡眠時無呼吸症候群も悪化し、再手術が必要になってしまいます。

引き締めるレーザー治療のデメリット

次にナイトレーズなど、口蓋垂と軟口蓋の粘膜を切除することなく、軟部組織を引き締めるレーザー治療のデメリットについても見ていきましょう。

  • 効果が出にくい人もいる
  • 定期的な治療が必要になる
  • 健康保険の適用外となる

この3点が軟部組織を引き締めるレーザー治療のデメリットになります。こちらのデメリットについても詳しく解説していきます。

効果が出にくい人もいる

ナイトレーズなどの軟部組織を引き締めるレーザー治療は、LAUPと比べて体への負担が少ないというメリットがあるものの、人によっては効果をほとんど感じられないといったデメリットがあります。いくら体への負担が小さくても、効果が出ないようでは意味がありません。

しかも軟部組織を引き締めるレーザー治療は、効果を実感できるようになるまで複数回の治療が必要になるケースが多く、治療に時間がかかるといったデメリットもあります。

定期的な治療が必要になる

軟部組織を引き締めるレーザー治療は永続的な効果がなく、時間の経過とともに引き締められた軟部組織が緩んでくるため、初期治療が終わった後も数ヶ月に1回のペースでレーザーを照射して、緩みを引き締めなくてはいけません。

ただし、最新は高性能なレーザー治療器も開発されており、再照射のサイクルを長くできるクリニックも増えています。

健康保険の適用外となる

軟部組織を引き締めるレーザー治療は、健康保険の適用外となる治療方法ですので、治療費はLAUPのように割負担ではなく、全額負担となってしまいます。クリニックによって料金は異なりますが、一般的には1回の治療で約10万円かかります。

初期治療として2〜3回の治療を行うため、それだけでも30万円近くかかり、さらにメンテナンスの治療のたびに10万円ずつ払っていくことになります。

LAUPと切除しないレーザー治療のどちらを選ぶべき?

ここまでの説明で、2種類のレーザー治療それぞれに、デメリットがあるということを理解してもらえたかと思います。そうなるとどちらの方法で治療すればいいのか、判断するのが難しいですよね。そこでここでは、それぞれどのような人に向いているのかを解説していきます。

LAUPが向いている人

  • 保険を使って治療したい人
  • いびきが改善すればいい人
  • 1回の手術で終わらせたい人

LAUPはできるだけ出費を抑えつつも、確実かつ短期間でいびきを改善したいという人に適した治療方法です。LAUPは健康保険を適用できるため、1回の治療費が3万円しかかからず、切除しないレーザー治療の初期治療費(3回分)の1/10程度で済みます。

しかもいびきに対しては高い効果があり、100%改善できるわけではありませんが、90%の人が改善を実感しています。ただし、睡眠時無呼吸症候群に対する効果が薄いため、いびきだけ改善できればいいという人に向いています。

手術後に痛みが続くものの、基本的には1回の手術で済むため、何度も通院できないという人にもおすすめの治療方法になります。

切除しないレーザー治療が向いている人

  • 睡眠時無呼吸症候群をともなういびきで悩んでいる人
  • 痛みが苦手な人
  • 忙しくて治療に時間を確保しにくい人

切除しないレーザー治療が向いているのは、睡眠時無呼吸症候群で悩んでいる人です。ナイトレーズなどYAGレーザーを使って喉の軟部組織を引き締めるレーザー治療は、睡眠時無呼吸症候群に対する効果も期待できるため、眠りが浅いといった症状で悩んでいる人におすすめです。

治療中も治療後も痛みがほとんどなく、すぐに食べたり飲んだりできるというのも、切除しないレーザー治療のメリットです。このため、切除による痛みに耐えられそうにない人や、治療後すぐに普段どおりの生活を戻りたいという人にも適しています。

そして、治療時間が20分前後と短く、仕事帰りや休日のちょっとした時間にレーザーを照射していびきを改善できます。このため、治療のために仕事を休めないという忙しい人にも向いている治療方法になります。

レーザー治療は完治に向けてのスタートライン

口蓋垂(こうがいすい)と軟口蓋(なんこうがい)の粘膜を切除するレーザー治療も、喉の軟部組織を引き締めるレーザー治療もそれぞれにデメリットがあり、どの治療方法がいいかは人によって異なります。このため、信頼できる医師に相談して、治療方法を決める必要があります。

ただ、どちらのレーザー治療を選んだとしても、いびきや睡眠時無呼吸症候群の対策がそれで終わるというわけではありません。むしろ治療が終わって、いびきに悩まされることがなくなってからが完治に向けてのスタートラインになります。

いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因は生活習慣にあることが多く、たとえば肥満が原因だった場合には、治療後に食生活を変えないと再発する可能性が高くなります。他にも喫煙や飲酒も、節制しないと再発の原因になります。

生活を変えるというのは想像以上に大変で、人によってはこれがレーザー治療するうえでの最大のデメリットになる可能性もあります。とはいえ治療してからしばらくは、いびきや睡眠時無呼吸症候群が改善されるため、睡眠の質も高くなり、心身ともに安定した状態に戻ります。

まずはレーザー治療で健康的な生活を取り戻し、そこからゆっくりと生活習慣を改善して、いびきや睡眠時無呼吸症候群の完治を目指しましょう。

まとめ:自分に適したレーザー治療を選ぼう

レーザー治療はいびき対策に有効な治療方法ですが、口蓋垂と軟口蓋の粘膜を切除するレーザー治療も、喉の軟部組織を引き締めるレーザー治療もデメリットがあります。しかも自分に適している治療方法を選ばなければ、高い効果を得られません。

どちらのレーザー治療を選ぶか、そもそもレーザー治療を受けるかどうかというのは、自分で判断することが難しいため、まずは信用できるクリニックで相談することから始めてください。

レーザー治療を受けても、いびきの原因を取り除かなくては、再発する可能性があります。治療が終わったからといって安心するのではなく、そこがスタートラインだと考えて、生活習慣の見直しを行い再発防止に努めてください。